研究課題/領域番号 |
06640412
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
前田 恵一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70199610)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ブラックホール / 素粒子統一理論 / 非可換ゲージ場 / 超ひも理論 / ガタストロフィー / 無毛仮説 / エントロピー / 熱力学 / カタストロフィー |
研究概要 |
ブラックホールは質量、電荷、角運動量の3つで決るKerr-Newmanタイプのみと考える『ブラックホールの無毛仮説・唯一性問題』との関連で、最近、新しいタイプのブラックホール解がいくつか見つかっている。本研究では、おもに、その系統的な研究を行い、新しい安定性解析の方法を開発した。 ゲージ場が質量を持つ場合、非可換ゲージ場を伴うブラックホールには、2つのタイプ(安定なものと不安定なもの)があるが、それらは解空間において2つの粒子解から連続的に現れ、ある臨界質量で一致するが、その分岐点でカスプが現れる。これは、カタストロフィー理論で特有の性質で、ブラックホールの安定性が、その分岐点で変化することが示唆されるが、実際に現在まで知られているブラックホールおよびその性質はすべてこれを支持しており、ブラックホールのエントロピーが安定性の解析において重要な物理変数となることが明らかになった。 また、新しい解としては、宇宙項が存在する場合のColored Black Hole解や、超ひも理論をもとしにした有効理論(Gauss-Bonnet項を含む理論)におけるブラックホール解を求め、その熱力学的性質についても考察した。後者のブラックホール解では、質量に下限が現れ、そこで裸の特異点が現れるが、ブラックホール蒸発の最終状態やそれに伴う情報消失の問題に関する重要な示唆を与えるのではないかと考えられる。
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