研究課題/領域番号 |
06640421
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 高エネルギー物理学研究所 |
研究代表者 |
千葉 順成 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (50126124)
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研究分担者 |
能町 正治 高エネルギー研, 物理研究部, 助手 (90208299)
田中 万博 高エネルギー研, 物理研究部, 助手 (90171743)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 反陽子 / 「しきい値」以下 / 反粒子生成 / 重陽子 / 原子核反応 / GeV領域 / フェルミ運動 |
研究概要 |
'94年度に実行した主な研究内容は次のとおりである。 ・高エネルギー物理学研究所の陽子シンクロトロン(KEK-PS)を用いて、α粒子(^4He原子核)を入射粒子とし、炭素、アルミニューム、銅を標的核として「しきい値」以下の反陽子生成を系統的に測定した。入射エネルギーは、核子当り5.0〜2.0GeVの6点で、反陽子の運動量は1.0〜2.5GeV/cの4点でそれぞれデータを収集した。なお、反陽子生成の「しきい値」は5.6Gevである。 ・“first chance NN collision"模型による計算を精力的に行った。核子・核子反応での反陽子生成断面積は終状態の位相空間の大きさに比例すると仮定し、また、標的核の中の核子の内部運動量分布は2つのガウシアンの和で近似して計算を行った。その結果、陽子・原子核反応での反陽子生成については、入射エネルギー依存性や、運動量分布などがかなり良く再現できるけれども、重陽子入射での反陽子生成については低い入射エネルギーの時に全く再現できない(計算値が一桁以上小さい)ことがわかった。この問題はまだ解決していない。 ・国内外における、原子核反応からの反陽子生成の実験データを整理し、標的核依存性や、入射エネルギー依存性を調べた。 ・核内カスケード計算のプログラムを作成し、実行を開始した。実行時間がかなり長期にわたるために、まだまとまった結果はででいない。これまでに行った計算によれば、重陽子入射での反陽子生成の増加は、カスケード計算でも再現できないように思われる。 ・重陽子入射の時に反陽子の生成が異常に大きい原因を探る手段として、重陽子・重陽子反応での反陽子生成が重要であると考え、実験計画を立案し、KEK-PSに申請した。申請は受理されて95年4月にCD_2を標的として実行することになっている。 ・重陽子・重陽子、あるいは重陽子・陽子反応での反陽子生成を精密に調べるために、重陽子のガスジェット標的の設計に着手した。
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