研究課題/領域番号 |
06640429
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三品 具文 筑波大学, 物理学系, 助手 (10209744)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 励起子コヒーレンス / 自由誘導緩和信号 / フェムト秒時間分解分光 / 超高速光学非線形応答 / コヒーレント伝搬 |
研究概要 |
近年におけるフェムト秒レーザー技術の発展により、安定で高出力な超短光パルスが得られ、同時に非線形変換により極めて幅広い波長領域に応用できるようになった。この結果、半導体を初めとした様々な固体において非常に高い時間分解能で超高速非線形応答を研究することが可能となってきた。 本研究では、GaAs/AlAs超格子ならびにZnP_2結晶中の励起子共鳴域において透過型および反射型の自由誘導緩和信号の実験を行なうとともに、その超高速光学非線形応答を調べるための数値シュミレーション法を開発し解析を行った。 自由誘導緩和法はサンプルからの透過光や反射光の時間特性を測定する方法で、これまで用いられてきた、ポンプ・プローブ法やフォトンエコー法などの2つの光ビームを交差させる方法に較べ、超高速な非線形応答を調べるのに、より直接的で有力な測定手段である。 自由誘導緩和の数値シュミレーションでは、電子系を記述する光学的ブロッホ方程式と電磁場を記述するマクスウェル方程式を連立させて効率的に解くためにforward and backward self consistent法を開発した。この方法は従来の解析手法の自然な拡張になっており境界条件を含めた反射と透過の自由誘導緩和信号について精密な取扱いが可能である。そのため、従来ポラリトン描像で扱われていた線形領域から、自己誘導緩和現象などが出現する非線形領域まで連続的に取り扱えるようになった。 この研究の結果、非線形領域における自由誘導緩和信号を実験的に観測するとともに、超格子や半導体薄膜を含めて反射と透過配置における一般的な非線形自由誘導信号の取扱いが可能となった。今後は、この結果をフェムト秒パルス列による多重コヒーレント過程の研究に応用していく。
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