研究課題/領域番号 |
06640449
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
西谷 龍介 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (50167566)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | STM / トンネル発光 / トンネル顕微鏡 / 局所物性 / 微粒子 / 表面プラズモン / ナノスケール / デジタル制御 / 局所電子状態 / スペクトロスコピー / II-VI族半導体 / プラズマスッパタリング / STS |
研究概要 |
1.表面および超微粒子の局所物性の測定を目的として、STM像、発光像およびSTSの3種類の同時測定が可能な、ナノメータスケールトンネル発光2次元像測定装置を製作した。これは、自作のデジタル制御トンネル顕微鏡(STM)を拡張し、トンネル電流が流れることによりSTMの探針先端で発光する極微弱光を分光、検出し、その発光強度を画像化できるようにした装置である。これにより、STMによる幾何学構造と発光像を直接比較することができ、発光機構と構造の詳細な関係を研究することができるようになった。これはわが国で初めて実現されたものである。さらに、発光した光を分光して、その強度の2次元像すなわちスペクトル分解トンネル発光像を得ることにも、世界で初めて成功した。これを用いて貴金属(Au,Ag)微粒子薄膜におけるトンネル発光像を測定した。これにより、微粒子の頂上と端では異なる発光スペクトルを示すことが明らかになった。このことより、トンネル発光の原因となる表面局所プラズモンのスペクトルはSTM探針および表面微粒子の幾何学構造によってきまることが明らかとなった。また、発光は微粒子の表面状態及び微粒子の種類にも依存することが示され、このトンネル発光像測定法は表面の化学分析にも有用であることが示された。 2.II-VI族半導体微粒子の電子状態をトンネル発光で解析するための基礎研究として、CdSマイクロクラスターを溶液法により作製しその光学特性の測定を行った。これにより、サイズが10から16ÅのCdSマイクロクラスターをサイズをコントロールして作製することができた。そして、その可視光吸収スペクトルの測定により、CdSクラスターの電子状態はクラスターサイズに依存することを示した。これは、クラスターに閉じこめられた電子のサイズ効果として解釈できた。
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