研究課題/領域番号 |
06640461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
永田 正一 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80155936)
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研究分担者 |
戎 修二 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (10250523)
城谷 一民 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (90110692)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | スピネル型化合物 / CuIr_2S_4 / CuIr_2Se_4 / 金属-絶縁体転移 / Ir核メスバウァー効果 / 混合原子価 / 電荷秩序 / ヤン・テラー効果 / メスバウァー効果 / 核磁気共鳴 / 構造相転移 |
研究概要 |
本研究は当初に計画した通り、平成6年度から3年間でほぼ所期の目的を達成することができた。1992年、新物質CuIr_2S_4が226Kにおいて伝導率で3桁の急激な変化を示す金属-絶縁体転移を起こすことを我々が発見した。転移点より高温では、伝導度は金属的で、低温側では温度降下と共に伝導率が急に低下し半導体的である。極低温におけるX-線回折の実験より、立方晶(金属相)から正方晶(絶縁体相)への構造相転移と同一温度で起こすことを確認した。しかし、結晶の歪の方向と大きさを考慮すると、単純なヤン・テラー効果が起こっているとは考えられない。さらに複雑な諸要因が働いていることが判明した。また、金属相ではパウリ常磁性を示し、絶縁体相では非磁性であり局在磁気モーメントは存在しないことが明らかとなった。転移温度における比熱の異常も観測し、転移熱の実験値が得られた。転移温度の圧力依存性も極めて大きい。熱膨張率、光電子分光などの実験結果が積み重なってきた。フランスのグルノ-ブルの原子力研究所のJ.P.Sanchez博士グループとの共同研究として、Ir原子核のメスバウワ-効果の実験を行い、アイソーマシフトの大きさから、Ir原子の原子価を実験的に得た。さらに、ロシア科学アカデミー(Ural Divsion)のKurmaev教授との共同研究でXESの測定も行われた。金属-絶縁体転移の主役であるIrのd電子は、絶縁体相では3+と4+の混合原子価であることが、ほぼ確認された。金属-絶縁体転移の機構を解明するためには更に多くの実験が必要であるが、本研究で得られた多くの結果が重要な磁石となる。 本研究に関連して、平成8年11月7-8日、東北大学金属材料研究所において、スピネル化合物に関心のある第一線の研究者を全国から集めて、研究発表会が開催された。盛況であったことを付記する。
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