研究課題/領域番号 |
06640471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
長谷川 彰 新潟大学, 理学部, 教授 (40004329)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ウラン化合物 / セリウム化合物 / 相対論的電流・スピン密度汎関数法 / 一粒子方程式 / 電子エネルギーバンド構造 / フェルミ面 / 相対論的バンド計算法 / エネルギーバンド構造 / アクチナイド / 希土類化合物 |
研究概要 |
希土類化合物やアクチニド化合物の電子エネルギーバンド構造を効率良く、定量的に計算するために、相対論的な線形化かつ補強された平面波法を構築した。この方法を価数揺動系Laves相セリウム化合物(CeRu_2、 CeCo_2、 CeRh_2)に適用してエネルギーバンドを計算し、フェルミ面を決定した。その極値断面積は、測定されたド・ハ-ス-ファン・アルフェン(dHvA)効果の周波数ブランチの振る舞いを合理的に説明する。同じ方法を重い電子系ウラン化合物UPt_3に適用し、フェルミ面を導いた。dHvA効果の周波数ブランチは全体としては定性的に説明されるが、起源の不明な周波数ブランチもかなり残る。現実には、UPt_3は反強磁性的な磁気構造をもつが、バンド計算には磁気構造やスピン分極の効果は無視されており、理論と実験の不一致はこのような計算の限界を示している。次に、スピン分極効果、相対論的効果、及び軌道電流の効果を同等に取り扱うことができる新しいセルフコンシステント・バンド理論を作るための基礎を築いた。外部電磁場の中におかれた相互作用する電子系に対して、数密度、スピン密度、及び軌道電流密度を基本変数としてハミルトニアンを表し、相対論的な電流・スピン密度汎関数理論を展開した。一般化Hohenberg-Kohn定理が成り立つことを示し、次に、この定理から新しい相対論的Kohn-Sham-Dirac方程式を導いた。この一粒子方程式は、軌道電流の効果を明確に示すために、孤立した原子にふさわしい形式で表されたが、ここには、磁気的相互作用が通常のZeeman項に類似した形式で与えられ、スピン角運動量と軌道角運動量が有効磁場と結合する項として表される。結晶内電子に対しても定式化は可能であり、現在、相対論的線形化APW法を適用した新しいセルフコンシステント・バンド計算法を作成している。
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