研究課題/領域番号 |
06640490
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
西尾 豊 東邦大学, 理学部, 助教授 (20172629)
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研究分担者 |
梶田 晃示 東邦大学, 理学部, 教授 (50011739)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | DCNQI-Cu / 金属-非金属転移 / 比熱 / -軸性圧力 / 有機金属 / 一次相転移 |
研究概要 |
(DMe-DCNQI)_2Cuは有機金属特有のp-π電子の他、Cuの3d電子もフェルミ準位近傍にエネルギーバンドを形成し、2種類の電子の軌道が、MixingしCuの価数は4/3価と混合原子価を取っている。この物質は低温まで金属的な振る舞いを見せる第1領域、圧力の印加により電子状態が3次元から1次元へ変化し、低次元特有のパイエルス転移を示し非金属へ移行する第2領域、その中間圧力領域として、ある圧力領域では転移後の低温域ではまた金属状態が安定化するリエントラントな転移を見せる第3領域と、性格の異なる3つの領域を有する特異な物質である。低温における第3から第2領域への転移、すなわち低温の金属相から非金属への転移に於いて、電子状態がどの様に変化していくのかを探るため本研究では一軸性の圧力をコントロールしながら温度を1.5Kから10Kまでの比熱、1.5K-100Kまでの電気抵抗を同時に測定出来るシステムを完成させた。このシステムを用いて大きなヒステリシスを伴うリエントラントな転移の性格及び低温金属相、低温絶縁相の電子状態を調べた結果、次のような結論が得られた。 (1)このシステムの性能を調べるため無加圧下での比熱測定を行い、以前我々また東大グループの測定した20mJ/molK^2の値にきわめて近い比熱を得た(2)リエントラントな転移が起こる圧力領域でも、電子比熱はほとんど変化しない。(3)低温4.2Kにおける第2から第3領域への転移と逆の転移の実現のための臨界圧には大きな食い違いがある。(4)第3から第2領域への転移する電子比熱係数は20mJ/molK^2から80mJ/molK^2まで上昇したのち、第2領域に入ると急激な減少を見せ、消滅すると共に、反強磁性転移に伴う指数関数的に減少する比熱が観測される。
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