研究課題/領域番号 |
06640504
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
河村 光 (川村 光) 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30153018)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | カイラルグラス / スピングラス / フラストレーション / カイラリティ / 高温超伝導 / セラミック超伝導体 / モンテカルロシミュレーション / 臨界指数 / 非線型帯磁率 / ク-パ-対対称性 |
研究概要 |
連続自由度を持つ力学変数で記述される相互作用系が要素間の相互作用にフラストレーションを持つ場合には、フラストレーションがない通常の場合には見られない新たな自由度として所謂‘カイラル自由度'が現れる。このようなカイラル自由度を持つような系の秩序化・相転移現象は、通常の場合には見られなかった多くの新しい特質を持つが、加えてランダムネスが存在するような系のカイラル秩序の問題を理論的・数値的に調べるのが本研究の目的であった。典型的な系としてスピングラス磁性体と超伝導セラミックスを取り上げた。とりわけこの様な系ではスピン自由度自体は無秩序のままでカイラリティのみがランダムにオーダーした様な新しいタイプの秩序相-‘カイラルグラス相'-が有限温度で安定な熱平衡相として存在する可能性が高い。本研究ではスピングラス磁性体と超伝導セラミックスそれぞれの標準的な統計モデルに基づいた大規模モンテカルロシミュレーションを行い、安定な熱平衡秩序相としてカイラルグラス相が存在すること、また高温無秩序相からのカイラルグラス転移の臨界性質がイジング的になっていることなどを明らかにした。特にスピングラス磁性体の場合については、これらカイラルグラス秩序に関する知見に基づき、現実の物質の示すスピングラス相転移の機構に関して新しいカイラリティ機構を提唱し、今まで説明が困難であったいくつかの実験結果が自然に説明出来ることを示した。また超伝導セラミックスの場合については、d波超伝導であることがほぼ確立された銅酸化物高温超伝導体がカイラルグラス相を実現する上で有力な物質群であることを示し、実験的な検証可能性について詳細な検討を行った。一部についてはカイラルグラス相の存在をサポートする実験結果が既に得られている。
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