研究課題/領域番号 |
06640520
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
松野 孝一郎 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10120346)
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研究分担者 |
今井 栄一 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (30134977)
本多 元 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (20192742)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アミノ酸熱重合物 / ヒステリシス現象 / ペプチド結合 / ヌクレオチド結合 |
研究概要 |
我々は、アスパラギン酸とプロリンから成るアミノ酸熱重合物が水中で微小球型沈澱を析出する(Honda et al Origins Life Evol.Biosphere19,21.)時、温度変化に対して履歴特性を示すこと(Sakurazawa et al.Viva Origino22,88.)を見い出した、懸濁液を冷却すると、微小球型沈澱の成長肥大・析出は約30℃から始まるが、加熱すると沈澱の溶解は約50℃から始まるため、析出する微小球型構造物の大きさは同一温度でありながら温度変化の方向が上昇か下降かに依存して異なる。従って、直径数ミクロン程度の微小球型構造物は周期的に温度を変化させると、外界から一方的に熱エネルギーを獲得でき、さらに獲得したエネルギーを様々な化学反応に用いることができる。そこで進化過程の観点から特に関心が持たれるのは、ペプチド結合、ヌクレオチド結合などの新たな共有結合生成のためにエネルギーが用いられる場合である。 まず、ペプチド合成が可能かを調べるため、アミノ酸との相互作用を調べたところ、塩基性アミノ酸と静電的相互作用をするほか、ヒスチジンとは、疎水相互作用により結合することが分かった。HPLCにより、ペプチドの検出を試みているが現在までには確認できていない。さらにヌクレオチド結合が可能かを調べるため、核酸塩基とヌクレオシドに対する親和性を調べたところアデニン、アデノシン、シトシン、シチジンに対して静電適親和性を示す(Honda et al.Origins Life Evol.Biosphere in press)ことが分かった。 本研究では更に、このアミノ酸熱重合物が示すヒステリシスの原因が構成分子の構造変化に由来することを示唆する結果が得られており。このヒステリシス現象の分子機構を考える上で極めて重要であると考えられる。
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