研究概要 |
現有の装置の衝突中心部の試料ガス吹出しノズルおよびガス導入管は、ステンレスチューブにより構成されている。オゾンとステンレスチューブの内壁との作用でオゾンの再結合、解離を最小にするためノズルおよびオゾン導入管をパイレックスガラスと交換した。ガラス製ノズルの表面に電子が蓄積されるのを除くために、ノズルの表面は電導性にした。さらにオゾンを安定供給するため真空槽内の残留水分を取り除くためターボ分子ポンプにて排気速度を補強した。オゾンは酸化性が強く、ボンベ等に溜めると内部壁と反応する性質を持ち、また爆発の危険性も伴うのでオゾンは市販されていないので、オゾン生成装置を製作した。今回はオゾン生成効率が最も優れているといわれる放電を利用したジーメンス型オゾナイザーを製作した。オゾナイザーにより生成されたオゾンと酸素の混合気体を-126.5℃に冷却された白色シリカゲルに吸着させ、減圧して酸素を取り除き約100%のオゾンを製作した。放電時間15分、放電電圧7.2keVで放電した時のオゾンの白色シリカゲルに溜められた量は2.32×10^<-4>mol=3.95Torr.Iと測定された。このオゾンをガラス管を通して10^<-8>Torrに排気されている真空槽内に設置されたノズル(半径0.1mm,厚さ1mm,ノズル内の圧力10Torr)から吹ける流量は1.25×10^<-3>Torr.I/secであることがわかった。この流量でのオゾンの吹ける持続時間は3120秒=52分間であることが測定された。この手製のオゾン生成装置を使ってオゾン弾性散乱断面積を測定中である。
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