研究課題/領域番号 |
06640544
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石原 和弘 京都大学, 防災研究所, 教授 (30027297)
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研究分担者 |
井口 正人 京都大学, 防災研究所, 助手 (60144391)
西 潔 京都大学, 防災研究所, 助手 (70027241)
小野 博尉 京都大学, 理学部, 助手 (50025392)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 火山性地震 / A型地震 / B型地震 / 火山性微動 / ダブル・カップル地震 / 非ダブル・カップル地震 / 噴火機構 |
研究概要 |
桜島火山と阿蘇火山の噴火様式は、それぞれ、爆発力の強いブルカノ式噴火と穏やかなストロンボリ式噴火で特徴付けられる。また、口永良部島火山では水蒸気爆発が発生する。桜島、阿蘇、口永良部島の3火山について、火山性地震を波形の特徴から分類し、初動の押し引きや振幅分布およびスペクトルの特徴から発震機構を推定し、これら3火山における火山性地震の発震機構をそれぞれの火山の噴火様式と関連づけて比較研究を行った。桜島火山の火山性地震は、A型、高周波B型(BH)、低周波B型(BL)、爆発地震に分類される。A型地震は、10Hz以上の高周波成分が卓越し、4象限型の押し引き分布を示すことから、構造性地震と同様にダブルカップル型の発震機構を持ち、岩石の破壊によって発生するものと推定される。BH、BL、爆発地震は5-8、1-3、0.5-1Hzにピーク周波数があるが、いずれも10Hz以上の高周波成分が欠如している。初動は全方位に押しか引きであり、鉛直方向のダイポール成分が卓越する非等方膨脹型の発震機構をもつ。火道内のマグマやガス溜りの膨脹によって発生すると推定される。一方、阿蘇火山の火山性地震もそのスペクトルの特徴から高周波型と低周波型に分類される。桜島の火山性地震が高周波地震=ダブルカップル、低周波地震=体積膨脹型地震と分けられるのに対し、阿蘇の場合は、多くの地震がダブルカップル型である。数年おきに間欠的に発生するため、桜島のように十分な大きさの火道が成長しなかったために、体積膨脹型地震の地震が少ないと考えられる。高周波と低周波の違いは、岩石の物性の違いと解釈される。口永良部島では、高周波地震と単一の周波数成分が卓越する長いコーダ部分をもつ低周波地震が発生する。火山体内部の水蒸気圧の上昇と水蒸気溜りの固有振動によって、これら2種類の地震が発生すると解釈される。
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