研究課題/領域番号 |
06640579
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
三宅 康幸 信州大学, 理学部, 助教授 (70200144)
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研究分担者 |
牧野 州明 信州大学, 理学部, 助手 (30242712)
山口 佳昭 信州大学, 理学部, 教授 (50144689)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 雲仙普賢岳 / 溶岩ドーム / 火砕流 / 溶岩の発泡 / 溶岩の流動 / サージ / 黒雲母 / 溶岩の温度 |
研究概要 |
本年度、代表者の三宅は、国立大学合同観測班の一員として、6月、8月、1月に各数日間、現地の上空観測に参加した。また、そのほかに短期間の現地滞在および九州大学における研究交流などを行ってきた。そうして、以下のような成果をあげることができた。 1 現地での火山観測を行っている間に、雲仙普賢岳の噴火の様相は大きく変貌をとげてきた。溶岩の供給は、従来のように山頂から流下する活動から、山頂付近で内生的に既存のドームを突き上げながら成長する様式に変化した(発表論文参照)。このようなドーム成長様式は、例えば1980-1986年のセントヘレンズ火山のドーム成長後期の様相に類似してきているといえる。 2 溶岩ドームの発泡過程での破砕現象を、溶岩ドームやテフラの構成鉱物の特徴から具体的に復元する研究を行った。特に、高温下で、黒雲母のメルト包有物の発泡現象と、それによるテフラ中の黒雲母結晶の粒度および形態の特性を検討した。その結果、(1)雲仙の角閃石は、発泡の後、まづ石基ガラスの酸化が起こった後に急速に酸化が進行したこと、(2)1991年に発生した火砕流の試料に比べて1992年末の試料では、この酸化の進行程度が大きい。(3)黒雲母の破砕現象が、この雲仙型の火砕流発生において、特徴的である。それは、黒雲母が劈開の発達した鉱物であることに関連している。そして、黒雲母の破砕は、その中のメルト包有物の発泡と関連している。などのことを明らかにした。この研究の過程で、本年度購入した真空含浸装置(ストルアス社製エポヴァック)を用い、発泡により生じた気泡中に塗料入りの樹脂を染み込ませた上で、顕微鏡下で気泡と鉱物の組織的関係を観察する方法を用いた。
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