研究課題/領域番号 |
06640607
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大沼 晃助 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (50000865)
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研究分担者 |
藤巻 宏和 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (90133933)
工藤 康弘 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (30107693)
加藤 工 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (90214379)
大谷 栄治 (大谷 英治) 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (60136306)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 相平衡 / 高温高圧実験 / フォルステライト / ガ-ネット / 輝石 / 共融点 / 融点の圧力依存 / 元素分配 / 高圧実験 / 透輝石 / マントル / 相関係 / カンラン石 |
研究概要 |
研究の結果、マントルの構造の解明には輝石組成をもつ高圧鉱物相を中心に、カンラン石、ガ-ネット、含水珪酸マグネシュウムなどの挙動が重要な鍵になるとの結論に至った。以下に実験を行った系について述べる。 I.Ma_2Si_4(Fo)-Mg_3Al_2Si_3O_<12>(Py)系:この系にたいしては、圧力8及び13.5GPa、温度2050〜2200℃で実験を行い、共融点(Fo+Py+液)と包結晶(Fo+Pc+液)が存在する。共融点の位置は、温度2090±20℃、組成Fo_<71>Py_<29>である。包晶点の位置は、温度2110±20℃、組成Fo_<90>Py_<10>〜Fo_<80>Py_<20>と推定される。15GPaの圧力下では、フォルステライトは(Pc+液)に分解溶融する。 II.Ma_2SiO_4(Fo)-CaMgSi_2O_6(Di)系:8〜15GPaの圧力範囲で実験を行った。フォルステライトは8GPaでペリクレース+液に分解溶融する。圧力の上昇とともに共融点(Fo+Px+液)はFo側に移動するとともにその温度は上昇する。Diの熔融点の圧力依存について実験の結果から、これまでよりもより高圧までのサイモン方程式を導いた。P=[(T/1664.5)^<5.17±0.04>-1] III.Ma_2SiO_4(Fo)-Mg_3Al_2Si_3O_<12>(Py)-MgSiO_3(En)系:15GPaにおける共融点は組成Fo_<54>Py_<13>En_<33>、温度2200±20℃である。圧力上昇に伴い共融点の位置はFo方向に移動する。各種のペリドダイト捕獲岩、パイロライト、コンドライト質マントルの組成の経路の延長上に15GPaの共融点が存在するという興味ある事実が判明した。 IV.Mg_2SiO_4-Mg_3Al_2Si_3O_<12>-CaMgSi_2O_6系:ガ-ネットはパイロープとメ-ジャライトの固溶体、単斜輝石はアルミニュウムを含む透輝石である。共融点は組成Fo_<30>Py_<25>Di_<45>、温度1170±20℃に依存する。共融点は圧力上昇につれFo側に移動する。 V.Mg_2SiO_4-Fe^<2+>SiO_4系:8GPaにおける相平衡状態図を完成した。18GPaの圧力では、オリピンは“無水相B"+液に、変形スピネル相はマグネシオウスタイト+液に分解溶融する。 VI.MgO-SiO_2-H_2O系:11GPa〜23GPaの圧力範囲で実験を行った。結果は、低温の沈み込むスラブ中ではマントル遷移層においてE相が、また遷移層下部および下部マントル最上部では超相B、F相、ブルーサイトが重要な含水鉱物となる可能性を示唆している。
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