研究課題/領域番号 |
06640611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小澤 一仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90160853)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 上部マントル / かんらん岩 / かんらん石 / クロマイト / マグマ |
研究概要 |
本研究遂行の結果、明らかとなった主要な点は以下の通りである。1)スピネルのCr♯とかんらん石のMg♯の間の正の相関関係であるかんらん石-スピネルマントルアレイは、かんらん石のMg♯=89でスピネルのCr♯=10であるようなかんらん石がバッチないしは分別融解することによって形成される。2)かんらん石のNi量とMg♯の間に認められるマントルかんらん石アレイは、Mg♯=98でNiO含有量が0.38wt%であるかんらん石を含む始源的マントルよりもMg♯の高い側はバッチないしは分別融解によってその始源的マントルから形成され、Mg♯の低い側はマントルアレイ上のメルト成分にある程度枯渇したかんらん岩とMg♯,NiO含有量ともにより低いかんらん石と平衡なメルトとの反応によって形成される。3)希土類元素などの微量元素含有量(単斜輝石ないしは全岩組成)とかんらん岩の鉱物モードを用いることによって、一つのかんらん岩体から、開放的融解における、融解程度、融解時のメルト分率、流入メルトの組成とその流入速度、融解反応のストイキオメトリーを逆問題を解くことで決定することが可能となった。本研究でめざした岩石成因グリッドは、かんらん石のMg♯とNiO含有量については、ほとんどの反応過程について明らかにすることができたが、かんらん石のMg♯とスピネルのCr♯については、定性的には多くの反応過程を検討したが、最終的には融解過程の限られたものについてのみ明らかにするにとどまった。今後は、後者の残された反応をすべて網羅する必要があり、またモデルで用いているパラメータのより正確な吟味が必要である。これらが終了すれば、微量元素について行ったと同様、より一般的な開放的融解過程の逆問題を解くことによって、天然マントル物質から定量的な融解過程の情報を得ることができるようになる。
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