研究課題/領域番号 |
06640664
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
田中 富士雄 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (60109874)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 熱レンズ法 / 高圧 / 一重項酸素 / 酸素消光 / アントラセン化合物 / 内部変換 / 項間交差 / 高圧力 / アントラセン |
研究概要 |
1.高圧下の熱レンズ法の測定装置の完成が本研究の第一の目標である。常圧下での熱レンズ測定システムを完成し、十分な精度と時間分解能で測定可能であることをアントラセン化合物について確認し、以下に述べる項間交差、内部変換、酸素消光による一重項酸素の生成についての興味ある結果を得た。高圧下の熱レンズ装置については、一万気圧までの圧力発生が可能な高圧ポンプ、高圧下での光学的測定が可能な四方サファイア窓付きの高圧容器、高精度の圧力測定が可能な圧力計からなる高圧システムを完成したが、高圧用試料セルの改良を重ねており、高圧下の熱レンズ測定は近いうちに可能な状況である。 2.常圧下の熱レンズ測定によって、無蛍光性のカルボニルアントラセンの中に三重項生成収率が著しく小さいものがあることを見い出した。9-ベンゾイルアントラセン等これらの化合物では項間交差より内部変換の収率が高い。また、項間交差と内部変換の比率が溶媒によって変化することも分かった。これまで、アントラセン化合物の無放射遷移は項間交差のみと考えられていたので、この発見は異常に速い内部変換の性質と機構を解明する第一歩となった。特に、高圧熱レンズ法による圧力効果を用いて系統的な媒体効果を検討することが、機構の解明にための有効な方法と考えられる。 3.常圧下の熱レンズ法により、アントラセン化合物の酸素消光における一重項酸素の生成量を測定した。ほとんどの化合物では、励起一重項からは一重項酸素が生成せず、励起三重項からは80%以上の収率で一重項酸素が生成することが示唆された。9-シアノアントラセンでは励起一重項からも一重項酸素が生成することが分かった。高圧熱レンズ測定装置の完成をまって、一重項酸素生成の媒体依存性を圧力効果から検討する予定である。
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