研究課題/領域番号 |
06640674
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 かず子 東北大学, 理学部, 講師 (60004321)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | キノン類 / タ-フェノキノン / クオーターフェノキノン / ビフラン / ビチオフェン / 酸化還元系 / 両性化合物 / 蛍光発光体 |
研究概要 |
キノン類は電子移動媒体として、また機能性色素として、また医薬品として極めて重要な化合物群である。しかし従来までに拡張型キノン類の化学は殆ど研究されていなかった。本研究ではヘテロ原子を含む拡張共役キノン類を分子設計し、合成し、酸化還元挙動や光吸収発光特性を解明した。 1.含酸素タ-フェノキノン1を合成し、酸化還元特性やX-線結晶構造解析をし、分子構造を決定した。 2.含酸素クオーターフェノキノン2を合成し、結晶状態でビフラン環がs-cis構造をとっていることを確かめた。 3.架橋ビチエニル構造を有するキノン3と4を合成し、3と4は近赤外部(668〜691 nm: logε=5.08〜5.09)に強い吸収を示し、平面で安定な分子であることや酸化還元電位と両性度の関係を明きらかにした。 4.架橋型ビチエニルに1分子の4-アルキルヨードベンゼンをpd〈0〉触媒で作用させ、得られた生成物を二量化したのち、加水分解し、酸化して、5を合成した。5は第一酸化電位(+0.32 V)が著しく低下し、Esum=0.66 Vを与えた。このことから5は閉殻構造を有する有機化合物の中で最も高い両性度を持つことが明きらかになった。 5.キノン類1〜5はNa還元によりそれぞれアニオンラジカルやジアニオンを与えた。ジアニオンは強い蛍光発光体であり、中でも2のジアニオンの蛍光量子収率は0.81であり、非常に高いものであった。 今後はこれらのキノン類の電子・光機能特性を評価してデバイス化する為の基礎物性をさらに究明する必要がある。
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