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カルボニル還元の面選択性に関する新理論モデル

研究課題

研究課題/領域番号 06640681
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 有機化学
研究機関東京大学

研究代表者

友田 修司  東京大学, 教養学部, 教授 (30092282)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワードフロンティア軌道論 / ヒドリド還元モデル / 分子軌道法 / カルボニル化合物 / ジアステレオ面選択性
研究概要

以下に成果を箇条書きにして示す.
(1)カルボニルに対するヒドリド試薬の面選択性を説明する定量的量子化学モデルとして,エクステリアフロンティア軌道広がりモデル(EFOE Model)を考案した.このモデルでは空間分割方法として、反応中心であるカルボニル炭素に帰属される空間点として、カルボニル炭素の原子軌道の全寄与が最大の分子表面(Paulingのvan der Waaals球の集合体として定義)の外部の空間点だけを選び、LUMOの電子密度(Exterior Frontier Orbital Electron Density;以下略してEFOEDと呼ぶ)をカルボニルπ結合の上下2つのπ平面で別々に評価する.
(2)この仮定に基づいて、フォートランプログラムを作成し、非経験的分子軌道計算データより、0.2a.u.(原子単位)のメッシュの3次元格子法を用いてカルボニルπ結合の面の上下で分割したEFOEDを求め、実際に観測された選択性と比較した。分子座標は非経験的分子軌道計算で最適化したものを用いた.
(3)さらに、選択性の本質が軌道相互作用にあることを定量的に評価するため、摂動論に基づく軌道相互作用解析プログラムを作成して解析を進めた。シクロヘキサンはじめ多数の環式ケトンについて考察を進めたところこれまで解析した15個の環式ケトンにおいて面選択性がEFOED Modelで例外なく説明できた。これらの環式ケトンのいくつかは、Felkin-Anh ModelやCieplak Modelなどの従来の理論モデルでは面選択性の説明が出来なかったものも含まれる。
(4)また、このモデルは、遷移状態での置換基とヒドリドの静電反発相互作用で説明されている5-置換-2-Decalone系および2,3-置換-Bicyclo[2.2.1]heptan-7-one系のヒドリド還元立体選択性(K.N.Houk,1991),さらに従来のモデルでは説明不可能であった3,4-benzocyclohepteneonにも適用できた。
以上,分子の立体構造と置換基の配向による微妙な面選択性の変化が見事にEFOE Modelで説明できた。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 友田修司: "カルボニルのヒドリド還元における面選択性の起源" 化学増刊「有機反応面論の最前線」. (印刷予定). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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