研究課題/領域番号 |
06640685
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
猪股 勝彦 金沢大学, 理学部, 教授 (50110599)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | テトラピロール化合物 / フィトクロモビリン誘導体 / ピロリノン / 新規カップリング反応 / ピロメテノン / 光ラベル化反応 / 2-トシルピロール誘導体 / 転位反応 |
研究概要 |
植物内に存在する光受容タンパク色素フィトクロムは、特定波長の光で可逆的に相互変換する二つの幾何異性体で存在し、いわゆる「赤・近赤外光可逆的反応」により、植物の発生や成長、分化などの形態形成を調節する重要な役割を果たしている。本研究では、この色素タンパク質の本質を担うフィトクロモビリンをはじめとする高機能性テトラピロール化合物の新規一般合成法の開発を目的として研究し、以下のような成果を得た。 1.異なる四種のピロール誘導体、A、B、C及びD環の新合成法ならびに、それらの新規カップリング反応を開発した。 2.光ラベリング基を分子内に有するフィトクロモビリン誘導体を合成することに成功した。この化合物は、関連の生化学者が長年待ち望んでいたものであり、今後、アポタンパク質と結合させた後、特定波長の光(フィトクロモビリンの場合660nmおよび730nm)で可逆的に相互変換する二つの幾何異性体、即ち、P_R型ならびにP_<FR>型の状態でそれぞれ光ラベル化反応を行ない、色素分子の近傍に位置するアポタンパク質のアミノ酸を特異的にラベルし、ラベルされたアミノ酸を特定することにより、それぞれの状態(P_R型及びP_<FR>型)での色素分子とアポタンパク質との相対配置ならびに相互作用を解明することができる。 3.種々の2-トシルピロール誘導体のトシル基が、酸性条件下で5位へ転位するという、極めて興味深い反応を見出した。この反応は、今後、種々の高機能性テトラピロール化合物を合成する際に、その構成要素としてのピロール誘導体の優れた合成法となる。
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