研究概要 |
(1)テトラアザ[14]アヌレン及びその金属錯体の合成-1,2-ジアミノベンゼン、2,4-ペンタンジオンと酢酸ニッケルより、テトラアザ[14]アヌレンニッケル(II)錯体(1-Ni)を得た。これを酸処理し、テトラアザ[14]アヌレン(1)を得、酢酸銅と反応させ、その銅(II)錯体(1-Cu)を得た。他の金属錯体も同様にして得た。 (2)ピケットフェンス型テトラアザ[14]アヌレン金属錯体の合成-1-Ni又は1-Cu錯体とパラ置換塩化ベンゾイル(2)又はパラ置換ベンジルブロミド(3)を、トリエチルアミン存在下加熱還流し、目的錯体(2-Ni、2-Cu、3-Ni)を得た。 (3)ストラプト基の合成-3-ヒドロキシ安息香酸とジブロミド(Br-R-Br)よりジカルボン酸を得、これを塩化チオニルで処理し、酸クロリド(4)を得た。 (4)ストラプト型テトラアザ[14]アヌレン金属錯体の合成-1-Niと酸クロリド(4)をトルエン中トリエチルアミン存在下加熱還流し、目的錯体(5-Ni)を得た。同様にして、大環状化合物(5)とその銅(II)錯体(5-Cu)や他の金属錯体も得た。これらは、質量、電子、IRとNMRスペクトルや元素分析等より生成を確認した。 (5)ホスト機能テトラアザ[14]アヌレン金属錯体による分子認識-2-Ni、2-Cu、3-Ni,5-Niと5-Cu錯体のキャビティーサイズ等を利用し、有機分子を系統的に変化させ、NMRやIRスペクトル等より包接能を検討し、5-Niと5-Cu錯体で架橋位がポリエーテル鎖の物が包接能が強く、分子認識能も優れていることが分かった。従って、これらのことより当初の目的はほぼ達せられたものと考えられる。
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