研究課題/領域番号 |
06640746
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中山 尋量 大阪大学, 理学部, 助手 (40189080)
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研究分担者 |
中村 亘男 大阪大学, 理学部, 教授 (70028166)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 核磁気共鳴 / 核四極相互作用 / ゼオライト / クラスター |
研究概要 |
ゼオライト中にナトリウム金属クラスターが形成されるに際のゼオライトの構造変化をナトリウム-23の核磁気共鳴(NMR)法を用いて調べた。まず、脱水したNaXゼオライトとナトリウム金属蒸気を反応させてクラスターを形成させたNa/NaXゼオライトについて、一次元^<23>Na NMRスペクトルをBruker社製MSL-200型分光計を用いて測定した。空気中の不安定なクラスターの取り扱いには、本科研費で購入したグローブボックスを使用した。NaXゼオライトでは、-10ppmと-80ppmに2本の幅広いピークが、観測された。一方、ナトリウム金属クラスターが存在するNa/NaXゼオライトでは、-10ppmのみにピークが観測され-80ppmのピークは消失した。クラスターの形成に伴うスペクトルの劇的な変化の原因には2つの可能性が考えられる。i)NaXには2つの非等価なナトリウムサイトが存在し、そのうちの1つのサイトのナトリウムのみがクラスターの形成に消費される。ii)サイトは1種類しか存在せず、核四極相互作用が大きく見かけ上2本にみえていたものがナトリウムの核四極相互作用がクラスターの形成に伴い小さくなる場合が考えられる。磁場を1.5倍にした測定を行ったところ、NaXゼオライトの-80ppmのピークは-50ppmにシフトした。従って、NaXゼオライトの2本のピークは、核四相互作用による分解で、2つの化学的に非等価なサイトは存在しない。ただ、-10ppmにもう1本スペクトルが重なっている可能性も捨てきれない。実際、反応させるナトリウム金属の量を少しづづ変えた試料の^<23>NaMAS(マジック角)NMRスペクトルでは、クラスターの形成に伴い低磁場側のピークが-14ppmから-7ppmシフトしてゆく。NaXゼオライトについて二次元Nutation NMRによりこの可能性につて検討した。信号の強度が非常に弱いため、完全な二次元スペクトルを得るのは困難であった。そこで、幾つかのパルス幅を変えてスペクトルを測定し、そのスペクトルをBruker社製データ処理ソフトウエア(購入)によるシミュレーションと比較した。スペクトルのSNが悪いため確定的なことは言えないが、単一サイトによる可能性が非常に高い。さらに磁場を上げるなど感度のいい測定が今後の課題である。
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