研究課題/領域番号 |
06640809
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鷲谷 いづみ 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (40191738)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 種子繁殖 / 温度 / 休眠 / 相対的休眠 / 発芽季節 |
研究概要 |
スズメノチャヒキ属の2種、スズメノチャヒキとヤクナガイヌムギの種子を用いて、「モニター温度」における発芽タイムコースを分析することによって、散布直後の種子の一次相対的休眠レベルの変化と、それに影響を及ぼす温度および水分の影響を分析した。室内の制御環境下に保存した種子と野外保存種子の発芽温度反応を比較したところ、後熟には保存期間の長さと保存温度が大きく作用するだけでなく、保存中の水分条件が大きな影響を与えることが示された。すなわち、吸水状態で保存した場合にも、も保存温度が高いなら後熟が促進されるという新たな可能性が示唆された。また、休眠解除速度を定義することによって、散布直後の種子の一次相対的休眠レベルの変化と温度、水分の影響を量的に分析し、そのデータに基づいて、温度に対する休眠/発芽反応をモデル化することができた。両種とも後熟には保存温度が高くなるほど有効であるが、水分条件に対する反応には若干の差異ばみられ、それによって野外における2種の発芽パターンの違いを説明できる。すなわち、スズメノチャヒキの種子は6月下旬の散布直後非常に深い一次相対的休眠レベルにあり、高温側限界温度も低いが7月、8月の日中の高い地表面温度や降水によって十分に後熟が促進され、9月上旬には後熟が完了し、10月には発芽にいたる。一方、ヤクナガイヌムギの種子は6月上旬に散布され、一部は7月の数日間の高温で休眠が解除されることが観察されているので、散布直後の一次相対的休眠レベルは比較的浅く、高温側限界温度も高いが、その後一部後熟した種子に高温と吸水によって二次休眠が誘導され、その後の温度などの環境要因に応じて相対的休眠レベルの微妙な変動がみられる。
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