研究課題/領域番号 |
06640827
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 東京都立大学 (1995-1996) 国立環境研究所 (1994) |
研究代表者 |
可知 直毅 東京都立大学, 理学部, 助教授 (30124340)
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研究分担者 |
石川 真一 筑波大学, 生物科学系, 助手 (80251015)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 海岸砂丘 / コウボウムギ / DNA解析 / 個体群統計 / PCR法 / マトリックス・モデル / 栄養薬殖 / クローナル植物 / Carex Kobomugi / マトリックスモデル / 栄養繁殖 / DNAフィンガープリント |
研究概要 |
地下茎やストロンを分岐させ、その先に娘個体を形成する植物では、ひとつの親個体から生じた娘個体が全て同じ遺伝子型をもつため、クローナル植物とよばれる。このようなクローナル植物の遺伝的な構造が、その個体群の動態にどのように関与するかを明らかにするため、DNA解析の手法を用いて、栄養生殖を行うコウボウムギ個体群の遺伝的構造を明らかにし、入れ子構造をもつ個体群の動態をマトリックス・モデルを用いて解析した。 コウボウムギ個体群の調査区において、個々のシュートの成長と生存の調査を継続した。開花期に雄株と雌株の割合や空間的な分布を調査し、雌株の個体数とサイズにもとづいて種子生産量を推定する回帰式を求めた。シュートごとに出現した時のサイズと生育終了時のサイズとの間の推移確立行列を求めた。嬢ラメット個体群のサイズ分布は安定サイズ分布に近く、各サイトにおける安定状態での個体群増殖率は、0.9〜1.4/yearであった。 種子由来のコウボウムギ実生から採集地別、個体別に抽出した全DNAサンプルについて、RAPD法を用いて遺伝的マーカーのスクリーニングを行った。その結果、半数以上のプライマーについてDNAの良好な増幅が確認された。それぞれのランダムプライマーによるDNAの増幅パターンには、顕著な地域間変異はみられなかった。一方、留萌の個体間にはR15を除く5つのプライマーで変異が認められ、新潟の一部の個体でも、同様な変異が認められた。以上の結果から、日本全国のコウボウムギは遺伝的には相同性が非常に高く、10-base程度の分解能では差異が検出されないほどであることが明らかになった。一方、地域によっては、地域間変異を上回る遺伝的変異が生ずる可能性があることもわかった。このような地域内変異については、その成因も含めて、さらに解像度のよい解析方法(RFLPなど)により究明する必要がある。
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