研究概要 |
シロザのクロロフィラーゼは以下の疎水性クロマトグラフィー,Con A Sepharoseおよび,Heparinアフィニティークロマトグラフィー,陰イオン交換クロマトグラフィー(Mono Q),ゲル濾過(Superdex200)を用いて精製した.陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて酵素の精製を行ったところ,活性は3つに分離された(Type1,2,3).さらにタンパク質を精製した結果,それぞれ5,400,18,000,20,000倍に精製され,単一なタンパク質にすることができた.SDS-PAGEにより求めた分子量は,41.8kDa,41.3kDa,40.2kDaであった.各クロロフィラーゼのアミノ末端を分析した.その結果,Type2,3についてはともにSer-Pro-Lys-Ile-Val-Val-Phe-Gln-Glyと同じ配列であった.ホモロジー検索の結果,この配列と相同性を示す既知のタンパク質はみつからなかった.Type1については,判読できなかったがType2,3とは別のアイソザイムである可能性が高い.これらのタンパク質はレクチンアファニティー担体であるCon A Sepharoseに吸着することから,糖タンパク質であると予想される。Type1,3の2種類のクロロフィラーゼの性質を調べた.その結果,至適pHもクロロフィルαに対するKm値も有為な差はみられなかった. 今回の研究で,複数のクロロフィラーゼを完全に精製することが可能になった.今後は,回収率の向上を考慮した上で,酵素を大量精製し,抗体作製,遺伝子のクローニングを行う予定である.
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