研究課題/領域番号 |
06640847
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
南川 隆雄 東京都立大学, 理学部, 教授 (30087001)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | プロテアーゼ / 種子発芽 / 細胞内輸送 / 翻訳後プロセシング / Vigna mungo / 液胞 / システインプロテアーゼ / エンドペプチダーゼ |
研究概要 |
ケツルアズキ(Vigna mungo)発芽種子の子葉で新合成され、吸水後2-3日目に著しい活性上昇を示すシステインエンドペプチダーゼ(SH-EP)は、子葉中の貯蔵グロブリンの分解に主要な役割を担っている。この酵素は膜結合リボソーム上で45kD前駆体として翻訳され、翻訳と同時にシグナル配列の切除を伴って43kDポリペプチドとしてERに導入されるが、ついで43kD→39kD→33kD(成熟型)という特徴的な多段階プロセシングを受けて活性化されることが分かっている。本分担課題では、このSH-EP前駆体の翻訳後プロセシングと細胞内局在化の過程を知る目的で研究を行い、次のような結果を得た。 (1)発芽種子の子葉からミクロソーム画分及びプロテインボディ(PB、タンパク質貯蔵型液胞)画分を単離し、抗SH-EP抗体を用いて免疫ブロット分析したところ、前者には43kDポリペプチドが、後者には33kD成熟型SH-EPが検出された。このことは、ERで生成した43kDポリペプチドは、PBへの輸送途中またはPBへの集積後に33kD成熟型になることを示している。 (2)SH-EP in vitro プロセシング系と各種プロテアーゼ阻害剤を用いた実験研究から、SH-EPのプロセシングには少なくとも2種のプロセシング酵素(PE-1及びPE-2)の関与が推定できた。PE-1は43kD→36kDの、PE-2は36kD→33kDのプロセシングにそれぞれ作用していると考えられる。PE-1は還元剤を要求するがE-64やロイペプチンにより阻害されないことから、従来知られているシステインプロテアーゼとは別のファミリーに属するとみられる。また、PE-1はナタマメのアスパラギニルエンドペプチダーゼに対する抗体と交叉反応した。 (3)cDNAから推定されるSH-EPアミノ酸配列のC末端にはLys-Asp-Glu-Leu(KDEL)配列が存在する。C末端KDEL配列はタンパク質のER残留シグナルとして機能することが知られている。そこで、次にSH-EPのC末端配列の解析を試みた。臭化シアン分解したSH-EPのペプチド断片のアミノ酸配列、アミノ酸組成分析及びSH-EPのマススペクトル分析の結果、成熟型SH-EPにはC末端KDEL配列は存在せず、翻訳後プロセシングの過程でKDEL配列を含む10アミノ酸からなるC末端プロペプチドが切除されることが明らかになった。
|