研究課題/領域番号 |
06640878
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
酒井 正樹 岡山大学, 理学部, 教授 (30027502)
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研究分担者 |
山口 恒夫 岡山大学, 理学部, 教授 (60000816)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 昆虫 / コオロギ / 交尾行動 / スイッチング / ニューロン / オクトパミン |
研究概要 |
本研究は、動物の本能行動のしくみ解明をめざしたものであり、交尾に伴って切り替わる雄コオロギの生殖行動をニューロンレベルで説明せんとするものである。コオロギの雄は、交尾をすると求愛行動を行わなくなり、約1時間の休息後、はじめて求愛に転じる。これまでの研究によって、この行動のスイッチングは、精包の放出を契機として最終腹部神経節(TAG)内で生じる何らかの変化に起因することがつきとめられた。そこで本研究では、TAGから腹部縦連合を上行する神経の活動電位を記録し、それが行動の変化に伴ってどのように変化するかを解析した。 その結果、雄が精包を放出すると、ニューロンの活動が直後から低下する場合が多く、20分ほどで次第に回復に向かっていった。自発性の活動が低下している時期には、尾葉に与えた音刺激が対する応答も低下していた。このことは、交尾による雄の生殖モードの切り替わりが、上行性ニューロンの活動低下という形で脳に伝えられていることを示唆するものである。 一方、交尾をして数分後、次回の交尾のための精包準備行動が起こると、TAG内の求愛抑制タイマーがスイッチオンとなり、1時間後にはオフとなるのであるが、このオフの時期に一致して上行性ニューロンの活動パターンが変化することもわかった。 これらの知見は、雄コオロギの行動の切り替え機構がTAG内にあることを支持するとともに、切り替わった状態を脳に伝える伝達様式に示唆を与えるものであり、今後、単一ニューロンレベルで解析を行う際の重要な知見となった。
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