研究課題/領域番号 |
06640889
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
横張 文男 福岡大学, 理学部, 教授 (20117287)
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研究分担者 |
西川 道子 福岡大学, 理学部, 助手 (30078563)
伊東 綱男 福岡大学, 理学部, 講師 (40131809)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 昆虫 / 中大脳 / 糸球体 / 触角葉 / 背側葉 / 食道下神経節 / 湿度・温度受容 / 機械受容 / 細胞内染色 / 嗅受容 / 湿度受容 / 温度受容 / インターニューロン / 電気生理学 |
研究概要 |
ワモンゴキブリを用いて、昆虫の中大脳触角葉糸球体の機能とその糸球体を支配するニューロンのはたらきを明らかにする目的で、昆虫の触角上の各受容器の軸索投射について調べた。昆虫の中大脳触角葉には球状の構造である糸球体があり、種によってその数が異なるがワモンゴキブリの場合は百数十個である。性フェロモンによって性行動が解発される昆虫の雄では、大糸球体複合体といわれる特別な糸球体に性フェロモンの受容細胞の軸索が終末していることが最近になって証明された。我々は、触角上の湿度・温度受容感覚子と温度・嗅受容感覚子から染色剤を受容細胞に取り込ませてそれぞれの軸索を細胞内染色し、その中大脳での終末様式を詳しく調べ、湿度・温度受容細胞の軸索はそれぞれ特定の糸球体に終末することを明らかにした。これらの糸球体は中大脳の背側葉に接した部分に位置し、性フェロモンの受容細胞の軸索が終末する大糸球体複合体と同じようにその境界が曖昧な一種の糸球体複合体を形成していた。これらの糸球体複合体はそれぞれ湿度又は温度に強い応答を示す出力介在ニューロンが支配する糸球体の位置と一致した。この結果は、大糸球体複合体が性フェロモン情報を受け入れるのと同様に、他の一般的な糸球体においてもそれぞれの糸球体がある特定の感覚情報を受け入れるように分化していることを強く示唆している。さらに同様な方法で棘状感覚子についても調べた。機械感覚と味覚の受容細胞が入っている棘状感覚子には数個の受容細胞があることが形態学的にわかっているが、本実験では複数の軸索が染色されることは少なく1本の場合が多かった。この軸索は、触角葉には入らずに直接背側葉に入り、後大脳を通り抜けて食道下神経節まで伸びていた。背側葉では側枝を出していた。今回観察できた軸索は機械受容細胞のものと思われる。
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