研究課題/領域番号 |
06640906
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
青塚 正志 東京都立大学, 理学部, 助教授 (40106604)
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研究分担者 |
田村 浩一郎 東京都立大学, 理学部, 助手 (00254144)
藤田 弘 東京都立大学, 理学部, 助手 (20094279)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 分子系統樹 / ADH / ハワイ産ショウジョウバエ / ミトコンドリアDNA / アルコール脱水素酵素 / Adh遺伝子 |
研究概要 |
分類体系が高度に構築されているショウジョウバエは進化の重要な研究対象として多くの研究者の注目を集めてきた。分類体系に関する研究で広く受け入れられてきたのはThrockmorton(1962,1975)による説であるが、近年Grimaldi(1990)が大規模な再構築を行い大きな論議を呼んだ。その結果分子データを指標にしたショウジョウバエ分類系統の再検討が盛んに行われるようになった。本研究はアルコール脱水素酵素(ADH)遺伝子、mtDNA ND2遺伝子の塩基配列を指標にしてショウジョウバエ科、特にショウジョウバエ亜科の系統関係の再検討を行うことを目的する。本研究は、平成6年度に、両遺伝子についてPCR法によるDNA増幅法の検討から開始し、改良を加えながら最終的には標本1個体から抽出したDNAを鋳型にして、十分な量の目的のDNAを増幅する系を確立した。この方法を用いて保存していた標本、飼育維持していた種あるいは新たに採集した種の、合計43種についてADH塩基配列を、31種についてmtDNA ND2塩基配列を決定した。これらの種は2亜科、6属、7亜属の広範囲に渡っている。ADH塩基配列から得られた分子系統樹は、属間、亜群間、種群間の系統関係を探るために、数理統計学的にも信頼性の高いものとなった。一方、ND2塩基配列は種群内の近縁な種間の系統関係を探るのに有効であった。系統樹は全体としてThrockmortonの説を支持するものとなったが、いくつかの点で両説とも異なる興味深い結果が得られた。特に、著しい適応放散を起こした例として良く知られているHawaiian drosophilidsが、これまでの定説とは異なり、virilis-repleta放散の過程で生じたという示唆は興味深い。また、いくつかの分類群で分子レベルでの進化機構と、形態、染色体の進化機構の違いを示す結果が得られたが、進化研究の今後の方向を示すものとして重要である。
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