研究概要 |
1.西部太平洋に分布するベニカワムキ科魚類の全種類の標本を調査した。 2.その結果、西部太平洋とインド洋には以下に示す7属13種が生息することが明らかになった。 Atrophacanthus japonicus ; Bathyphylax bombifrons ; Halimochirurgus alcocki, Halimochirurgus centriscoides ; Macrorhamphosodes platycheilus, Macrorhamphosodes uradoi ; Paratriacanthodes herrei, Paratriacanthodes retrospinis ; Triacanthodes anomalus, Triacanthodes ethiops, Triacanthodes indicus, Triacanthodes intermedius ; Tydemania navigatoris 3.ニューカレドニア産の標本をフランスのORSTOMの協力を得て調査し、その結果はフランス国立自然史博物館の研究報告に発表した。 4.オーストラリア産の種類について、オーストラリア博物館の協力を得て調査することができた。この結果、これまでベニカワムキ科魚類が報告されていなかったオーストラリア東部沿岸にも5属が分布することが明らかになった。 5.これまで本科魚類は南半球からは、わずかに数個体のフエカワムキが知られているだけであった。しかし、ニューカレドニアとオーストラリアのベニカワムキ科魚類の調査によって、本科魚類は南太平洋にも広く分布することが明らかになった。また、トンガ海嶺などから採集された遠洋水産研究所の標本を精査した結果、本科魚類は南太平洋の東方海域にも分布することが明らかになった。 6.従来、10数個体しか知られていなかったBathyphylax属の標本を多数調べることができた。また、本属魚類の比較解剖を行い、骨学的特徴を明らかにした。 7.Paratriacanthodes retrospinisは少数の個体しか知られていなかったが、ニューカレドニアから新たに得られた多数の標本を用いて、本種の骨学的特徴を明らかにした。
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