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北部九州弥生人のミトコンドリアDNAの変異パターンとその系統

研究課題

研究課題/領域番号 06640919
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 人類学(含生理人類学)
研究機関佐賀医科大学

研究代表者

篠田 謙一  佐賀医科大学, 医学部, 講師 (30131923)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード隈・西小田遺跡 / 渡来系弥生人 / PCR法 / ミトコンドリアDNA / 塩基配列 / 近隣結合法
研究概要

北部九州弥生人のミトコンドリアDNA(mtDNA)のシークエンスの変異を解析し、その系統について考察した。試料として用いたのは、福岡県筑紫野市の隈・西小田遺跡から出土した甕棺人骨薬200体である。表面を削り、粉末状にした大腿骨の緻密質1グラムからDNAを抽出し、PCR法を用いてmtDNAのD-ループの一部、252ないし213塩基対を増幅した。増幅したDNAはプラスミドベクターにライゲートした後、大腸菌にトランスフェクションし、定法に従ってシークエンスを行った。シークエンスはそれぞれの固体で4個以上のクローンを取って比較検討したのちに決定した。その結果、最終的に塩基配列が決定できたのは97個体であり、このなかに見いだされた塩基配列のタイプは23種類であった。
今回配列を決定した部分は、すでに報告されている現代日本人の塩基配列部位に完全に含まれているので、このデータと併せて、近隣結合法を用いてそれぞれの系統関係を考察した。その結果、隈・西小田弥生人のタイプは特定の系統に収斂することなく、広く現代日本人の変異の中に散在する結果となった。mtDNAの変異を用いた研究から、現代日本人は異なる2つの系統の集団から構成されていることが知られている。これが渡来系弥生人と縄文人を反映するという仮説が示されているが、今回の結果はそれを単純に支持してはいない。むしろ北部九州の渡来系弥生人はmtDNAの変異からみる限り、現代日本人の原型とでも言うべき形で成立していたと考えられる。ただし、隈・西小田遺跡から出土する人骨は弥生時代前期末以降のものなので、すべてが純粋な渡来人とは断定できず、ネイティブな集団との混血が進んでいたと考えればそれらの結論を否定するものではない。今後はより広範な地域の人骨を用いた解析と、特に弥生時代初期の人骨の解析が必要であろう。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ken-ich SHINODA: "Analysis of Ancient Japanses Society thraugh Mitochondrial DNA Sequencing" International Journal of Osteoarchaeology. 4. 291-297 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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