研究課題/領域番号 |
06650039
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 健二 京都大学, 工学部, 助教授 (50127073)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 高分解能RBS / 原子層分析 / エピタキシャル成長 / S-Kモード |
研究概要 |
高分解能RBS法に使用しているゴニオメーターを、通電加熱法によりシリコンの清浄表面が散乱槽内で得られるように改良した。RHEED用電源を作製し、散乱層内でその場でRHEED法による清浄表面の観察が行えるようにした。 このように改良した高分解能RBS装置を用いて、Si(001)表面上に真空蒸着法により銀を成長させて、成長の初期過程を観察した。その結果、シリコンの温度が760Kでは、銀は蒸着量が0.5原子層(ML)までは2次元成長をして、それ以上蒸着量を増加させても銀の吸着量は増加しない事が分かった。またRHEED観察では、銀の蒸着により2X1パターンが殆ど変化しない事が分かった。これらの事実と、銀原子で散乱されたイオンのエネルギー損失の測定から、銀原子の吸着位置を決定する事ができた。また、シリコンの温度が520Kでは、銀の成長様式は2次元膜形成の後島状成長に変化するS-Kモードである事が分かった。また、2次元成長の臨界膜厚は0.5MLである事も見いだした。 高分解能RBS法を用いて、SnTe(111)表面上にエピタキシャル成長したPbSe(111)結晶の表面観察も行った。その結果、表面原子層は鉛原子のみを含んだ(111)原子面であり、その原子密度がバルクの密度の約1/3である事を見いだした。これらの結果は、他の分析法で得る事は困難であり、原子層ごとの分析が可能な高分解能RBS法の有用性を示す事ができた。
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