研究課題/領域番号 |
06650040
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高井 義造 大阪大学, 工学部, 助教授 (30236179)
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研究分担者 |
木村 吉秀 大阪大学, 工学部, 助手 (70221215)
井上 雅彦 大阪大学, 工学部, 助手 (60191889)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 高分解能電子顕微鏡 / 無収差観察 / 断面TEM観察 / ダイヤモンド界面 / 集束イオンビーム加工 / 界面構造解析 |
研究概要 |
我々は研究課題名に示すように2つの独創的な手法、すなわち能動型画像処理による電子顕微鏡像の無収差結像技術と、集束イオンビームによる超微細加工技術を用いた電子顕微鏡用断面観察試料作製技術を用いて界面構造の系統的解析を進めてきた。前者は界面領域の不規則的な原子の並びをそのまま正確に写し出すことを可能にし、後者は原子のスパッタリング現象を利用することで界面に応力を与えず比較的容易に界面観察用電子顕微鏡サンプルの作製を可能にする。その結果これまで幸運にしか完成できなかった試料の作製が確実に行えるようになり、より正確な構造解析が行えるようになった。 本年度は無収差結像の進展として研究発表1-2)、5-6)、及び他4編を行ない、電子顕微鏡による原子レベルでの界面構造解析技術を更に発展させた。本研究の主題である界面研究に関しては、上記の手法を利用してダイヤモンド界面の解析を行い、研究発表3)-4)、及び他2編を行った。そのほかに関連論文1編が現在審査中である。 具体的な成果をまとめると以下の通りである。 1)現有の無収差技術の有効性を実空間で明らかにした(研究発表1),5))。界面のような結晶の周期性の途切れる領域におけるより正確な原子レベル観察を可能にした。 2)本手法を更にHollow-cone照明を利用した超解像法へと進展させた。(研究発表2)) この手法を界面観察に応用することで更に正確な原子構造の決定が可能と思われる。 3)無収差観察技術を実時間化させることに成功した。(研究発表6)) 界面での格子欠陥の挙動の実時間無収差観察が可能となった。 4)ダイヤモンド/ダイヤモンド界面の欠陥構造、不純物解析に成功した(研究発表6)) 界面には過剰炭素によって形成されたと考えられる格子間原子型の転位ループが観察された。また不純物として鉄とシリコンが界面において検出され、成膜時の不純物混入と膜質の関係が議論された。成長膜中にも成長方位によって格子間原子型の転位ループが連なっている特異な欠陥構造が観察され、成長メカニズムとの関連が議論された。 5)鏡面シリコン基板上の初期成長ダイヤモンド粒の成長メカニズムを界面構造観察から推定した。すなわち格子欠陥によって発生したエッチピットが核発生点になっていることを明らかにした(論文審査中)。
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