研究課題/領域番号 |
06650045
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小倉 磐夫 千葉大学, 工学部, 教授 (80013100)
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研究分担者 |
尾松 孝茂 千葉大学, 工学部, 助手 (30241938)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 第二高調波発生 / 光ファイバー / 光誘起屈折率効果 / 多光子吸収 / シリカガラス / 二次の非線形光学効果 |
研究概要 |
等方性であるガラス材料に二次非線形光学効果が誘起されるメカニズムは、以下のように考えられる。まず、ガラス材料のseeding中に起こる基本波、第二高調波の多光子吸収過程によって光電子が生成し、この光電子が電子の濃度勾配に応じて拡散し、格子欠陥に再トラップされる結果、DC電場が誘起される。このDC電場がガラス材料中の反転対称性を破壊し、二次の非線形光学効果が現れるというものである。このモデルに基づき、理論計算を行った。過去に報告されているGeドープシリカファイバーの第二高調波発生の実験結果と、seeding時の基本波、第二高調波強度とseeding後のガラス試料から観測される第二高調波出力依存性の点で、理論計算が定性的に一致することがわかった。現在までに、Ge-シリカガラス材料のseeding実験を行ってきたが、いまだ、第二高調波発生が観測されなかった。試料のGeドープ量の最適化、seedingに要する時間に関する検討が必要であると考えられる。また、理論計算からガラス内の多光子過程によって生成される光電子の生成確率がX^<(2)>の誘起に重要な役割を果たすことがわかった。したがって、多光子過程による光電子の生成準位と共鳴する波長付近の基本波を用いた場合には、大きな非線形電気感受率を得ることができる可能性がある。例えば、ファイバーにTm^<3+>等の希土類をドープした場合、Tm^<3+>は785nm近辺に共鳴線を持ち、GaAs系半導体レーザーの発振波長と一致する。したがって、Tm^<3+>のドープ量の最適化を行うことで半導体レーザー用ファイバー型SHG素子の開発が可能であると考えられる。
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