研究課題/領域番号 |
06650054
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野田 進 京都大学, 工学部, 助教授 (10208358)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 量子井戸 / サブバンド間遷移 / 光制御 / 無添加 / 光変調 |
研究概要 |
【序】半導体量子井戸のサブバンド間遷移は近年大きな注目を集め、最近ではレーザ発振も実現されるに至っている。またその短波長化も進められ光通信波長域での使用も可能となりつつある。これまで我々はこのサブバンド間遷移とバンド間遷移を同時に用いた新しい光制御光変調について研究を行ってきた。本研究では、新たに、超高速変調可能でかつ高い繰返し変調時に熱の影響が生じない可能性のある無添加量子井戸を用いた光変調についての研究を行った。【理論計算】無添加量子井戸におけるサブバンド間光によるバンド間光の変調は密度行列を用いて解析できる。エキシトンの効果を含めた計算結果を図1に示す。同図より、エキシトン吸収ピーク近傍においてサブバンド間光の照射により、吸収ピークが2つに分裂する様子が分かる。これはバンド間遷移とサブバンド間遷移を支配する振動子の強い結合に基づく真空ラビ振動によるものと考えることが出来る。【実感】以上の変調を実証するため、図2に示す変調デバイスを作製しその変調特性を評価した。量子井戸は79ÅのGaAs井戸層と150ÅのAlGaAs障壁層が250周期繰り返されている。バンド間光としてはTi-Al_2O_3レーザを、サブバンド間光としてはCO_2レーザを用いた。図3(a)、(b)に変調実験結果の一例を示す。(a)、(b)はそれぞれバンド間光の波長がエキシトン吸収ピークに一致している場合、および若干長波長側にシフトさせた場合の結果である。(a)ではサブバンド間光の照射により吸収が減少し、(b)では逆に増加していることが分かる。これらの結果は計算結果と定性的に一致し、無添加量子井戸での変調の可能性が示されたといえる。
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