研究課題/領域番号 |
06650060
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
鈴木 正夫 東京工芸大学, 工学部, 教授 (80103159)
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研究分担者 |
西宮 信夫 東京工芸大学, 工学部, 助手 (50208211)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 光アクティブフィルタ / GaAs半導体レーザ / 光ガルバノ効果 / 二重共鳴スペクトル / 核スピンの超微細構造 / Krのガルバノスペクトル / Xeのガルバノスペクトル / Arのガルバノスペクトル / Krガルバノスペクトル / Xeガルバノスペクトル / Arガルバノスペクトル |
研究概要 |
GaAs半導体レーザを用いた光ガルバノ二重共鳴効果測定システムを製作した。励起レーザの周波数をファブリペロ-干渉計のフリンジ信号に安定化し、プローブレーザの注入電流を変化させ周波数掃引した。それぞれのレーザは1.0kHzと1.5kHzのサイン波で周波数変調した。2つのビームを同方向よりレーザガルバトロンに入射し、放電電流に現れる2.5kHzの成分を位相検波し二重共鳴効果を測定した。また、光アクティブフィルタとして機能させた場合の分解能を評価するため、EO光変調器によりプローブ光を位相変調し、搬送波に伴う側帯波を検出できるようにした。 4準位系のモデルを用い二重共鳴信号の振幅を与える理論式を求め、サブドップラ幅のスペクトルの形状因子を導出し、0.8μmに現れるKr、Xe、Ar原子の電子遷移を用いて実験を行った。 ^<83>Krの5P′_<01>←5S′_<00>→5P′_<11>、および^<129>Xeと^<131>Xeの6P_<12>←6S_<12>→6P_<11>の3準位系におけるV-typeの二重共鳴スペクトルに現れる核スピンによる超微細構造に着目し、二重共鳴信号の周波数分解能と周波数選択特性を調べた。レーザガルバトロンに試料ガスを1-2Torr封入し、数mAの放電電流で動作させ二重共鳴信号を検出したがいづれも良好なS/Nで検出できた。スペクトルの半値全幅は、2台のレーザのFM変調幅の和に相当する180〜200MHzであった。サブドップラ幅の超微細構造より各同位体の電子励起状態における核磁気相互作用定数や核四極子相互作用定数を決定した。ガルバノ二共重鳴法は、新しい電子励起状態の高分解能分光研究にも有効である。 Ar原子の4P_<22>←4S_<11>→4P_<11>の3準位系により、1GHzのマイクロ波により位相変調されたプローブ光の側帯波を検出した。しかし二重共鳴信号のS/Nは悪く、KrやXeのような狭窄化されたガルバノ二重共鳴信号を検出できなかった。強度の強い狭窄化された信号を検出するには、測定対象とする二重共鳴効果の準位系に準安定状態が含まれる必要があり、ガルバノ二重共鳴効果の緩和過程についての理論モデルと対応していることが分かった。 また、0.8μm領域のレーザ分光計測を進める上で欠かせない参照波長標準スペクトルアトラスを整備するため、IBrとICl分子のA←X電子遷移を解析し、結果をJ.Mol.Spectrosc.に発表した。
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