研究課題/領域番号 |
06650073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工学基礎
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
速水 謙 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20251358)
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研究分担者 |
今井 敏行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90213214)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 数値解析 / 境界要素法 / 数値積分 / 高速多重極展開法 / パネル・クラスタリング法 / 電子銃のシミュレーション / 静弾性問題 / 逆問題 / 偏微分方程式 / 脳内電流双極子推定 / 数値積分法 / 多粒子系 / 連立一次方程式 / 反復解法 / 多重極展開法 / 連立一時方程式 |
研究概要 |
境界要素法は、境界のみを離散化すればよい、開放領域が扱いやすい等の利点をもつ有力な偏微分方程式の数値解法である。本研究では、この解法を更に実用的にするための高速化・高精度化の検討と、その逆問題への応用に取り組んだ。 1.解法の高速化 境界要素法では、各要素が他の全ての要素と関係をもつため、密行列の生成、連立一次方程式の解法、場の計算において、要素数nが大きくなると計算量(O(n^3))・記憶量(O(n^2))が莫大になり、実用化において問題になっている。そこで、多重極展開やテーラー展開を用いて、遠い要素間の影響を所望の精度の範囲内で近似し、まとめて取り扱うことにより、計算量及び記憶量をほぼO(n)に削減する高速多重極展開法やパネル・クラスタリング法に着目し、様々な問題への効率的な適用法を開発した。具体的には、2次元ポテンシャル問題、3次元ポアソン問題、2・3次元静弾性問題である。また、同手法が遠距離力に支配される多粒子系の計算の高速化にも応用できることに着目し、荷電粒子の空間電荷効果を考慮した電子銃の3次元境界要素法シミュレーションの高速化へ応用し、周期境界条件下の2次元渦糸場に対する高速多重極展開法の適用法を開発した。 2.数値積分の高精度化 境界要素法で薄い構造や、境界付近の場を計算する際に生じる近特異積分(有界ではあるが、急激に変化する関数の積分)を高精度で計算する変数変換型の自動数値積分法を開発した。 3.逆問題への応用 境界のみを離散化すればよいという点で境界要素法は逆問題解法に向いている。その具体例として、脳内電流双極子の同定問題を取り上げ,無限媒体電位を用いた新しい評価関数を導入し、境界要素法と非線形最適化手法を適用することにより、脳の多層モデルにおいて、脳内の電流双極子を効率的に同定する新しい手法を開発した。応用としては、脳内の活動部位やてんかんの位置の特定などがある。
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