研究概要 |
使い易い数学ソフトウェアの開発をめざし,数値解析の分野と数値計算のためのヒューマン・インターフェースの分野で研究が進められた.数値解析の分野では,代数方程式の数値解法(鳥居、杉浦及び研究協力者),常微分方程式の数値解法(三井,杉浦及び研究協力者),確率微分方程式の数値解法(三井,杉浦及び研究協力者),差分・微分方程式の数値解法(三井及び研究協力者),ソリトン方程式の数値解法(三井及び研究協力者),数値積分法(鳥居,長谷川,杉浦及び研究協力者),線形方程式の数値解法(張,三井,杉浦,長谷川,鳥居及び研究協力者),線形方程式の数値解法(張,三井,杉浦,長谷川,鳥居及び研究協力者),多項式剰余列の安定な算法(鳥居,杉浦及び研究協力者)に関して研究が行われ,それぞれについて新しい数値計算アルゴリズムと理論的な知見が得られた. ヒューマン・インターフェースの分野では,自然な数式を用いた数学計算環境(鳥居,杉浦及び研究協力者)と曲面・曲線の生成(鳥居及び研究協力者)について研究が進められた.前者は,数式を用いたプログラミングの環境を構築することにより,人間の計算意図による計算機の計算能力のコントロールをより自然な形で行うことを可能とする.また,数学公式集など数式を含むデータのデータベース構築の技術的な基礎を与えた.後者は,制約条件の元での曲面・曲線生成に関する研究である.現実的な曲面・曲線設計においては,無制約であることよりある種の制約が課されることが多い.ここでは,もっとも基本的な制約条件である正値性,単調性,凸性について考察され,新しい生成アルゴリズムを提案した.
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