研究概要 |
1.目的 この研究の目的は,気孔率の高いセラミックフォームの構造因子と力学特性との関係を明らかにすることにある.対象材料はアルミナフォーム,炭化けい素フォーム,炭素フォームで,具体的な調査項目は以下の通り.(1)これらセラミックフォームはどんなセル構造を有するか?(2)応力-歪曲線は緻密体のそれとどう異なるか?弾性率や脆性崩壊強度はどの程度の大きさか?(3)力学特性と構造因子(特に相対密度)との間にどんな関係があるか?強度は予測可能か? 2.方法 対象材料は,セラミック系のアルミナ(AL_2O_3)フォーム,炭化けい素(SiC)フォーム,炭素(C)フォームの3種類である.オープンセルフォームの構造を定量的に記述するため,各試料について,以下の諸量を実測した.(1)構成要素としてのセルの形状,(2)セル寸法,(3)エッジの幅と長さ,(4)エッジ連結度,(5)相対密度 供試材の機械的性質を評価するため,インストロン型万能試験機による定速圧縮試験を行なった.試験条件は,温度=室温,変形速度=1mm/min,雰囲気=大気中とした.圧子には,これまで最適と考えられてきたネオプレンゴムに代えて,埋め込み用のエポキシ樹脂で試料両端の「相手のないエッジ」を固定する方法を採用した. 3.結果と成果 (1)オープンセル型セラミックスフォームのヤング率は立方体型セルモデルによりほぼ定量的に予測でき,次式で表せる(右図).E^*/E=0.5(ρ^*/ρ)^2 (2)オープンセル型セラミックスフォームの破壊強度も,同様に立方体型セルモデルによりほぼ定量的に予測でき,次式で表せる.σ^*/σ=0.13(ρ^*/ρ)^<1.5> (3)オープンセル型セラミックスフォームの破壊強度はほぼワイブルの確率統計に従い,ワイブル指数は緻密体より小さい3〜5である.
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