研究概要 |
(1)機械で一般的に発生し計測点に伝ぱする振動をモデル化し,実機の回転軸付近で計測される振動データの内容を明らかにした。さらにこの結果にもとづき,計測れたデータから回転軸信号だけを抽出する計算法を開発した。具体的には回転数の異なる3種類のデータをもとに減算及び除算によって不必要な外乱を先づ消去し,次に異なる回転数間で回転軸信号がどのように変換されるかをマトリクスを使って表現し,このマトリクスから導かれる固有値問題の解として純粋な回転軸信号を抽出するものである。 (2)上記の手法の有効性を検討するため,ベアリングの交換可能な回転軸試験装置を試作し,内輪,外輪,転動体に故意に傷をつけたベアリングを組込んで振動を計測し,解析した。その結果,本手法は,エンベロープ処理などの他の存在の方法では検出できない極めて軽微の傷も検出できることが判明した。ただし傷の程度と解析結果に現れるピークの大きさとの間に定量的な相関関係はないから,今後は傷の程度を知る為の手法の拡張が課題となった。
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