研究概要 |
本研究では,生産設備設計,生産工程設計および生産スケジューリング機能を統合化することができる自律分散型の生産システムの基本アーキテクチャを明らかにするとともに,そのシミュレータを開発することを目的として研究を行った.主要な研究成果をまとめると以下のようになる. 1.自律分散型生産システムの基本アーキテクチャの研究 自律分散型生産システムにおける自律機能を,生産設備および生産対象の意思決定機能,通信機能,および制御機能の観点から分析,整理した.この結果,工作機械,ロボット,搬送装置などの生産設備,および生産隊小生品の間の協調機能の重要性が明らかになった. 2.自律分散型生産システムシミュレータの開発 機械部品の加工と組立を行うバッチ処理型の生産システムおよびライン型の生産システムについて,自律分散型の生産システムのシミュレータを開発した.ここでは,生産システム内の生産設備および生産対象が自律的処理が可能なものとして,オブジェクト指向に基づくシミュレーションモデルを提案した. 3.リアルタイムスケジューリングへの適用 上記2.のモデルに基づいて,自律型の生産設備が独自のスケジューリング基準にしたがってリアルタイムに自身のスケジュールを決定するシステムを提案した.また,このスケジューリングシステムによる運用方法の有効性をシミュレーションにより評価した.
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