研究概要 |
マニピュレーションに関しては,ビームの一部をマスクを通して取り出し,そのビーム内に微小粒子を補足し,マスクを動かして粒子を操作した.矩形マスクの回転によって,イ-スト菌を回転できた.ビームを振動させてこの捕捉システムのボード線図を求めた.さらに,直径10μmの金属ワイヤを用いた手製の回転装置を作り,回転駆動を試みた.これは,光圧力よりは,加熱効果のほうが大きい可能性がある.また,ラテックス球のような球体をクラスター状に集合した状態で捕捉すると全体を回転させることができた.この集合体の幾何学的な条件を検討することによって,回転機構を簡単に製作できる可能性がある. 加工に関しては,特に加工機構に関する考察を行った.パルスレーザビームによるジルコニアセラミックスの深穴加工を行い,その機構が電子ビーム溶接における深溶け込み機構であるキ-ホールの生成,消滅の繰り返しであることを明らかにした.また,YAGレーザと波長は異なるが,加工機構はまったく同じであるCO_2レーザによる鋳物の加工も行った.鋳物製造業における作業環境を改善するためには,なるべく無人化する必要があり,高出力レーザの利用が適すると考えたためである.穴あけ,切断,表面改質などの基礎的データを得,さらに,鋳物製造における鋳ばり取りにレーザの導入の可能性を探る実験も行った. 造形に関しては,レーザ援用電鋳に関して基礎的な実験を行った.また,三次元形状の製作には成功していないため,今後更に実験を進める予定である.また,三次元微小物体の製作法として,各部品を接合する方法が有効である.これにレーザ溶接を適用することを目的とし,径100μmのステンレスワイヤ,アルミワイヤの接合実験を行い,最適条件を求めた.複雑な部品の接合も可能と考えられる.
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