研究概要 |
1.粉末圧延に異速圧延を適用し,電解銅粉末の圧密過程において異速比が圧延荷重,先進率,板材の板厚および相対密度におよぼす影響について検討した。圧延荷重は,粉末の供給量と板材の成形速度との比が大きくなるにしたがい大きくなり,相対密度は,等速圧延で成形された板材の相対密度に比べ大きくなった. 2.等速圧延および異速圧延に対して適用が可能な可容速度場を新たに提案し,上界法を用いて圧延荷重に関する解析を行った.与えられた初期条件(異速比,供給量,初期ロール間隙,ロール周速度)において,各異速比ごとに,圧延荷重の予測が可能になった. 粉末圧延法を応用したフレキシブルな成形法として,所定の形状の穴を開けた金型と,粉末とを同時に圧延することにより,金型と平面形状が同一な圧粉体,金型を心材とした複合板,金型の穴の部分の形状を持つ圧粉体を成形するプロセスを提案した.そして,モデル粉末として電解銅粉末を,金型として市販の18-8ステンレス鋼板のパンチング板を用いて実験を行い,金型の板厚,金型の穴径,ロール間隙およびロール周速度を変化させ,成形可能な条件を検討し,成形プロセスの妥当性を確認した. ステンレスのパンチング板と銅粉末との複合板は,ステンレスの特徴である強度を維持し,欠点である熱抵抗を小さくできる。また,ステンレス板とパ-マロイの複合体は耐食性と磁性を兼ね備えた複合材料として期待できる.
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