研究概要 |
高速回転スキャナミラーの風損低減は、細密、高速な印刷を実現し、かつ消費電力を低減する上できわめて重要な問題となっている。そこで本研究では、真空ポンプ機能を持つ空気軸受を用いて、風損をほとんど零にできる手法を提案した。そして真空ポンプ機能付き軸受を実際に製作し、ポンピング特性を実験的に明らかにするとともに、風損低減に対する有効性の確認を試みた。さらに、実際に軸一軸受系を設計する際に必要となる軸受剛性および高速における安定性など軸受の基本な特性を理論的、実験的に明らかにし、設計上の指針を与えることを目的とした。その結果次のような結論が得られた。 1.提案した軸受のポンピング特性は、おもに溝深さ比、溝角度、溝幅比によって影響され、ポンピング特性が最適となる各パラメータの値が存在する。 2.ポンプ部内の圧力が小さくなるために、ポンピング特性を求める際にはスリップ流れを考慮する必要がある。 3.提案した軸受の剛性は、ポンプ部が存在することにより多少低下する。 4.提案した軸受は、40,000rpmでも十分安定に動作することが実験的に確認された。 5.本研究では、提案した軸受のポンピング特性、剛性および安定性について理論的な検討を行ったが、計算結果は実験結果と定性的、定量的によく一致しており、本計算法を用いて提案し軸受の特性を精度良く予測できることが明かとなった。
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