研究概要 |
流路内の圧縮性乱流路境界層と多数の衝撃波の干渉現象(擬似衝撃波となる)の詳細を,平成6年度科研費補助金で購入した閃光時間の極めて短いスパーク光源(20ns)を用いた流れの可視化法と,二次元レーザドップラ流速計(LDV)を用いた流速測定(平均速度及び変動速度測定)により,明らかにした.研究成果を要約すると,次のようになる. 1.断面50×50mmの正方形断面をもつ直管路内のX/D=8.0(Xは流路入り口からの距離,Dは管幅,一様流マッハ数1.8,流れの境界制限0.3)に発生させた多数の衝撃波と圧縮性乱流境界層の干渉の様相を,ナノスパーク光源とシュリーレン法により詳細に観察し,明らかにした.具体的には,擬似衝撃波内の圧縮性乱流境界層の乱れの様相,組織構造などを観察した. 2.擬似衝撃波内の乱流特性を二次元LDVを用いて詳細に測定した.その結果,(1)流れ方向の乱れ強さは,先頭衝撃波後枝付近で増加し,先頭衝撃波と第二衝撃波の間で減少すること,(2)レイノルズ応力は分枝した先頭衝撃波により増加すること,レイノルズ応力のピーク値は先頭衝撃波前枝の位置から下流にいくにつれ壁面から離れること,(3)乱れ運動エネルギkは,流路中心線に沿って,kは小さいが,先頭衝撃波によって僅かに上昇すること,境界層内ではkは各衝撃波背後で増加し,各衝撃波間の再加速領域で減少すること,などを明らかにした.
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