研究課題/領域番号 |
06650226
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 関西大学 (1995) 国立循環器病センター (1994) |
研究代表者 |
関 眞佐子 関西大学, 工学部, 助教授 (80150225)
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研究分担者 |
花井 荘太郎 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室長(H6のみ) (20142185)
南山 求 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室長(H6のみ) (00142191)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 微小血管 / 血流抵抗 / ストークス流れ / 数値シミュレーション |
研究概要 |
複雑な内腔形状を有する微小血管の血流抵抗を正確に評価するためには、生体に於ける血管の幾何形状に関する精密な情報を基に、血流抵抗を流体力学的に厳密に解析することが必要である。本研究では、1.動物を用いた血管内腔形状の計測と統計処理、2.数値シミュレーションによる血流抵抗の流体力学的評価、を行って微小血管の血流抵抗の正確な評価を試みた。 1.血管内腔形状の計測:1)血管径自動計測システムによる微小血管径の計測、2)微小血管の平滑筋細胞および内皮細胞の核の染色、3)レーザ走査型共焦点顕微鏡により得られた血管内腔の3次元画像から血管断面形状の再構築を行った。その結果、従来の血流抵抗の評価方法の仮定とは異なり、微小血管内腔の断面は円形ではなく、しかもその形状は内皮細胞の核近傍の突出等のため血管軸方向にも変化していることが分かった。 2.血流抵抗の流体力学的評価:生体計測によって得られた血管内腔形状の非一様性、特に血管径の血管軸方向変化と内皮細胞の核近傍の内腔への突出に着目して、それぞれについて血管モデルを考え、その中の流れ及び血流抵抗を有限要素法により数値シミュレーションを行って求めた。更に、血球が浮遊している場合についても解析し、血球の存在が血流抵抗に与える影響を調べた。解析の結果、いずれの場合も、同じ断面積をもつ直円管に較べ血流抵抗は増加し、その増加の程度は、断面形状の円形からのずれ、内皮細胞の突出の程度、断面形状の軸方向変化が大きいほど大きいことが分かった。また、複雑な内腔形状と血球との流体力学的相互作用の結果、血流抵抗は血球の存在により更に増大する結果が得られた。本研究結果は、生体内の微小血管内流れにおいて、内腔形状のわずかな凹凸が、血流抵抗の大きな増加に結びつく可能性を示唆している。
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