| 研究概要 |
沸騰現象をはじめとする流体の相変化現象に関する研究は非常に多くなされている。それらのほとんどは,伝熱面を介しての熱現象であり,容器や伝熱面の固体壁面に存在する気泡核や流体中の温度分布が回避できない。
本研究では,固体境界面からの加熱を行わないで,液体の直接加熱によって相変化現象の解明を行うことを目的としている。
1.本研究遂行の第一段階としてふく射・吸収・散乱性媒体のふく射伝熱解析法の開発を行い,水などの吸収性媒体が壁面を介さない体積加熱でどのような温度分布となるかの解析を行った。
2.次に,電磁波を集束し,高エネルギー場を得るために既存のマイクロ波発生装置を改造したが,マグネトロンに反射電磁波が入射すると装置を破壊するので,このままでは大幅なエネルギー密度の増幅は難しいことが明らかになった。
別のエネルギー増幅法を調べるため,閉じた容器内での電磁波の反射,集束特性および容器壁面加熱特性を理論解析した。代表的な高エネルギー場であるプラズマのマイクロ波加熱問題を数値シミュレーションで詳細に検討した。
また単一液滴を空中に浮遊させ,定位置に保持させるための基礎実験として,航空機パラボリックフライト中の微小重力下の実験と落下塔実験および数値解析を各種行い,微小重力下における測定法の検討を行った。
|
