研究概要 |
1.強地震動の加速度記録を用いて,その特徴である非定常性と非白色性を考慮できる地震動の確率過程モデル化手法を提案した. 2.不規則励振を受ける弾塑性ヒステリシス系を対象として,応答の非ガウス性を考慮した非定常応答解析法を開発し,デジタルシミュレーショの結果と比較して,その有効性を検証した. 3.1.2.に基づき,非定常応答解析用計算機プログラムを作成し,ヒステリシス系の確率論的地震応答解析を行った. 4.先端に集中質量を有する鉛はりモデルを用いて,弾塑性ヒステリシス特性を有する構造物の不規則加振実験を行った.応答のrms値とパワースペクトルを求め,双線形ヒステリシスモデルを採用した理論解析結果が実験結果の傾向をよく推定し得ることを示した. 5.比較的小さい入力に対しても,ヒステリシス特性によるエネルギ吸収効果が系の応答に顕著に現れることを明らかにした. 6.従来の応答スペクトルに確率論的な考え方を導入した,確率論的応答スペクトル手法を提示した.実際に応答曲線を求め,両者を比較検討し,本手法が地震動な対する構造物の応答を確率論的に評価するための合理的な手法であることを示した.
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