研究概要 |
実施した研究では,まず機構解析用汎用プログラム(DADS)を購入して,それを用いて種々の機構解析を行った.しかる後,機構におけるパラメータの変化が運動性能等に及ぼす感度(sensitivity)を計算するプログラムを開発した.これを基に機構系の最適化計算が可能となった.また構造系と制御系の同時最適化問題に対して,研究代表者らの従来の研究を基に次の3点の拡張をはかった. (1)幾何学的非線形性の考慮 (2)構造系の位相の最適化 (3)制御系のセンサ・アクチュエータの位の最適化 (1)は,宇宙構造物やフレキシブルロボットアームなどでは重要な問題と考えられるが,従来,ほとんど研究されていない.そこで,幾何学的非線形性を考慮して構造の形状と制御系のフィードバックゲイン等の同時最適化をはかる研究を行い,その成果を日本機械学会の機械力学計測制御部門講演会(1994.11.秋田)で講演発表を行った. また,(2)は板,シェル,骨組構造の選択や内部の構造系の位相を決定する問題で,(3)は制御性能や制御可能性に大きく影響を与えると考えられるセンサーとアクチュエータの位置配置で,この(2)(3)の問題を複合した最適化問題,すなわち構造系の位相と制御系の同時最適化問題に対する研究も行い,その成果は,日本機械学会の第72期通常総会(1995.3.東京)で講演発表予定である.また現在,この両方の成果を統合し,かつ機構の最適化も同時に考慮した研究を展開中で,近々その成果が発表できる段階にある.
|