研究概要 |
機械系で多く取り扱われる環境や対象物体との相互作用を伴う場合に重要な「力」と人間側からの働きかけでその対象物体に近い手首に着目し,手首の動きに伴う回転力提示装置(Rotational Force Display)の製作を行った.一方,内面性を扱う始めとして,開発した装置を用いて,力の場に対する力の提示の重要性を再認するため,力の提示前後にひとが抱く内面の動き,つまり,感性(Kansei)のうちイメージ(Image)の変化を心理学的測定を試みた.力の提示に対する心理学的アプローチとして,今後VR装置の開発には有用な結果が得られた. また,メタファの観点から,指先だけに触覚(圧覚)を還す装置を試作し,オブジェクト表面の実在感が得られるかを調べた.試作したフィードバック装置を用いて実験を行うことで臨場感が改善できたことを確認した.アプリケーションとして,テレロボティクスの研究では,制御特性やマルチスレーブの安定性,ヒューマンシステムの操作性に関する基礎的知見を理論と実験により得た. これまでの研究成果を生かして,物理,生理及び心理のいくつかの側面から,力・触覚提示に対する心理モデルの構築を目指して,人間とコンピュータとの関係をより調和・協調になることが期待できる.
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