研究概要 |
1.実用トロイダルコイルは複数個の要素コイルで構成されるが,シールドコイルを適用する場合のシールドコイルの漏れ変動磁界が主コイルに加わる問題及び変動電流が主コイルに流れる問題について以下の結論を得た。 (1)主コイルに加わる変動磁界について,トロイダルコイルにおいて必要導体量が少なくなるトーラス副半径/主半径比が0.3〜0.6の範囲で要素コイルの個数及び形状,主コイルとシールドコイルの間隔等でどの様に変化するかを調べた。その結果,要素コイルの個数を20以上にし,主コイルとシールドコイルの間隔をトーラス主半径の0.1倍程度に取れば変動磁界は十分小さくでき,損失もシールドコイル分を含め,シールドコイルを用いない場合に比べ1/8程度に減少できることがわかった。 (2)上記条件下での必要導体量の計算を行った結果,コイル個数を20程度に取り,トーラス副半径/主半径比を0.5以上に取ればシールドコイルを用いた場合でもシールドコイルを用いない場合に比べ導体量は増加しないことを確かめた。 (3)主コイルに流れる変動電流についてはモジュール化しない場合は主コイルとシールドコイルの巻数を調節することで完全に抑制することができた。モジュール化した場合,変動電流は完全には抑制できないが,同一モジュールのコイルを集中して配置する方法を取れば変動幅を数%程度に低減できることを確かめた。 2.シールドコイルを適用した場合の変換器の構成,制御法について計算機シミュレーションを行い,主コイルとシールドコイルの調整は1個の変換器でも可能であるが,良好な制御にはそれぞれ独立した変換器を必要とすると言う結論を得た。
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