研究課題/領域番号 |
06650376
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 九州共立大学 |
研究代表者 |
権藤 靖夫 九州共立大学, 工学部, 教授 (50017852)
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研究分担者 |
野沢 忠生 九州共立大学, 工学部, 教授 (10268790)
生地 文也 九州共立大学, 工学部, 教授 (00093419)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 強磁性トンネル接合 / 強磁性多層膜 / 巨大磁気抵抗効果 / スピン偏極電子 / 磁性層間相互作用 / 磁区構造 / 交換結合2層膜 / スピンバルブ効果 |
研究概要 |
強磁性トンネル接合におけるスピン偏極効果、即ちトンネルコンダクタンスが両電極の磁化の相対角度に依存する効果(強磁性トンネル効果)については理論的研究があるが、実験的研究は国内外で僅少である。他方、非磁性層を挟んだ強磁性多層膜において測定電流を膜面内に流した場合でも、伝導電子のスピン偏極に依存した大きな磁気抵抗効果(スピンバルブ効果)が見出され、応用面でも多くの期待を集めている。これら二つの効果は、伝導電子のスピン偏極に依存するコンダクタンスの変化という点で同じ現象で、ただ、測定電流が両層の界面に垂直か、平行かという点が違うだけである。従って、強磁性トンネル接合と強磁性多層膜の両者を関連して研究を進める必要がある。特に、強磁性膜の磁区構造がこれらのスピンバルブ効果に与える効果について明らかにし、これを制御することにより、巨大磁気抵抗効果の生ずる条件と原因を探ることができよう。 従って、本研究では、強磁性トンネル接合膜に関連して、試料作製と測定が簡単で容易な強磁性多層膜の最も簡単な構造である磁性層間の直接交換相互作用による交換結合2層膜について研究を行なうことにした。本研究では、磁気的に硬いFe層の上に軟らかいNi_<80>Fe_<20>を積層し、膜厚比の異なる2層膜につい磁化曲線、磁区構造、磁気抵抗等の測定を行なった。研究成果の一つは、反転磁界印加時に、硬軟両層の界面における交換結合により発生するスピン構造の大きなねじれが、このような交換結合2層膜の特異な磁気特性を生ずることを確認した。特に、磁気抵抗特性は、このスピン構造によるスピンバルブ効果と通常の異方性磁気抵抗効果の重畳によるものであることが分かった。
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